エンディングノートの役割
- 「終」という字を使うものの、「死ぬ」ではなく「生きる」に焦点を当てるのが終活の目的です。
- エンディングノートは終活のきっかけとなるツールですが、所有率が低く書いている方が少ないのが実情です。 書けない理由は、考えがまとまらない。まだ元気だから必要ない。死を意識したくない、といったことが挙げられます。
- しかし、改めてその役割を知ることで書く意欲が高まるのではないでしょうか。ここではノートのもつ2つの役割をお伝えします。
エンディングノートの2つの役割
- エンディングノートには「情報の記録」と「思いを伝える」という2つ役割があります。
1.情報を記録する役割
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- 自分のこと(基本情報・自分の歴史)
- 資産(預貯金・保険・年金・借入・不動産など)
2.思いを伝える役割
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- 葬儀
- 供養
- 遺産相続
- 夫婦でも、兄弟姉妹でも、葬儀や供養に対する考え方は人それぞれ。率直な気持ちを伝えられないときは、エンディングノートを書くことで思いを伝えることができます。
エンディングノートに法的効力なし
遺言書との違い- エンディングノートと遺言書の最大の違いは法的効力の有無です。エンディングノートに法的効力はありません。
- その分、書き方も内容も自由度が高く、遺言書にはない医療や介護についての希望も書くことができます。
- ※遺言書と違い開封についての制限もありません。
ノートを書く4つメリット
- エンディングノートにはたくさんのメリットがあります。特に大切な4つのメリットを解説します。
1.自分の人生を振り返ることができる
- エンディングノートには自分について書く項目があります。自分史という半生を文章化したものを書くことで人生を振り返ることができます。
2.家族の負担を軽減できる
- 家族が介護や終末期に一番悩ましいのは「本人が何を望んでいたのかが分からない」ということです。 逆に言えば「医療・介護・終末期に関する希望」がわかっていたら、悩まずにすみます。ノートに意思表示しておくことで、家族の負担をぐっと減らすことができます。
3.家族に思いを伝えることができる
- お葬式の方法やお墓など埋葬に関すること。万が一のときに知らせてほしい友人・知人のこと。ペットを飼っている場合は、その後の世話など普段なかなか話さないことも伝えることができます。
4.資産の確認ができる
- 貯蓄・保険・年金・不動産・クルマ・その他の資産…と自分が思っているよりもたくさんの資産を所有している場合があります。それらの確認と、さらに忘れてはならないのが借入れについて記しておくことです。
- 家族に内緒の借金がある。クレジットカードでの未払い金がある。消費者金融のカードがある場合も記しておきます。借金情報は残された家族が1番知っておきたい情報だからです。相続人が相続放棄をする場合は原則3ヶ月までに行なう必要があります。
ノートを書く最適なタイミングは「今」
- 病気や天災など、いつ何があるのか分からず何歳まで生きられるという保障などありません。
- 「書いてみよう」と思ったときに書き始めるのが最適なタイミングといえます。
何歳までに書くべきか?年代に合った書き方がある
- 何歳までに書いておくという決まりはありません。ただ、気になることがある方や持病がある方は書ける箇所からすぐにでも書き始めると良いでしょう。年代別に書くべきタイミングがあります。世代別に見ていきましょう。
- 20~30代
- 「まだ若いしエンディングノートなんて不要では?」と思われそうですが、自分の基本情報や資産を書き記し「情報ツール」として用いる方もいます。使い方は人それぞれです。
- 40~50代
- まだまだ元気で気力に溢れた世代です。終活の準備には時間的に余裕があるこの年代こそ、ゆとりをもって資産確認をする。今後の医療・介護についての希望を書いておくことができます。
- 60代以降
- セカンドライフが始まります。振り返りをして、今後の人生へのTo Doリストの代わりに書くのも良いでしょう。 70代以降の方は残された家族が困らないように医療・介護のことを。死後はこうして欲しい、といった具体的な願いを書いておきましょう。
エンディングノートの内容は?書いておくべき必須事項
- 書店などに並ぶエンディングノートの種類も増えてきました。 シンプルで項目の少ないものから、ページ数が多くあらゆる項目を網羅しているもの。パソコンで入力ができるもの。自分史や家系図に重点が置かれたものなど実に様々です。 ここではノートの「必須項目」と「あった方がいい項目」をまとめています。
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必要項目 あった方が良い項目 基本的な情報 書き方例・ヒント 資産・財産 パスワード・契約情報 家族の相関関係図 相続・遺言のガイド 医療・介護情報 ペットに関すること 葬儀・お墓 処分してほしいものリスト 連絡先
(家族・知人の情報)死亡後の手続きリスト 親しい人へのメッセージ 自由記述欄
書いて終わりではありません。定期的な見直しを
- エンディングノートは書くこと自体が目的ではありません。その先の行動のきっかけ作りです。また状況(健康状態、資産状況等)は日々変わっていきます。数か月~1年ごとに定期的に見直すようにしましょう。
ノートは誰に伝えるべきなのか、誰に託すのか
- ノートを書いていることを家族に伝えておくと良いでしょう。せっかく書いても家族が知らなければ意味がありません。託したい相手がいる場合はノートをきっかけにこれからのことを話してみるのもいいです。
ノートの保管方法
- 保管場所はノートの中身にもよります。ノートに詳細な資産情報を記している場合は金庫など防犯性の高い場所を選びましょう。 また、防災グッズにいれておけば、いざというときも持ち出せるようになります
- エンディングノートとは、残された家族が判断に困らないように情報や思いを記し準備しておくものです。決まった形式がないので自由に書くことができます。
- 状況に合わせて書き直すことができることも魅力です。ページを埋めていくことで人生の棚卸しができ、やりたいこと、伝えたい事、残したいことを気づかせてくれるツールになります。
- エンディングノートがきっかけで遺言書を作成したという方もいます。書いて見ようと思った時に書き始めてみるのが良いでしょう。